交響曲第九番を歌うことを標榜した老若男女による陽気な集まり【埼玉ブルース第35回】

埼玉ブルース

誰が言ったか知らないが、訪ねてみれば確かに感じる魅力のご当地をさすらう「埼玉ブルース」。

既に新しい年がはじまって久しく、すっかり年末色は消え失せているものの、だからこそ
この感動を思い出そうじゃないか! という訳で、今週は、そんな並々ならぬ意気込みのもと
お邪魔した埼玉第九合唱団さんの演奏会の様子をお届け致します。

1

埼玉第九合唱団さんは、その名前のとおりにベートーヴェンの交響曲第九番を
歌うことを標榜した合唱好きな老若男女による陽気な集まり。
現在は県内外のイベントに参加する傍ら、必ず二度の
定期演奏会を催しています。

なかでも、毎年末の演奏会で披露する団名にも冠された第九は、熱心なファンに
支えられて40年以上も続いている、まさに恒例なのだとか!
なんと2300余りもある席が完売になるというから、
その人気も納得です。

2

今回の演奏会の主催のひとつは、この会場にもなっている大宮ソニックシティを
有するさいたま市。大変にメジャーな施設ながらありがたくも密着をお許し頂けたので、
こんな裏側まで撮らせてもらえちゃったりして!

普段は撮ることのできないショットなぞも調子に乗って連写してみるものの……実は、
この周辺には大ホール特有の特殊な舞台装置やら、同じく主催である日本フィルの
楽団員さんのえらく高そうな楽器やらがそこかしこに置かれていて、
肝を冷やしたことは言うまでもありません。

3

開演は午後7時。しかし、そこは三度の飯より合唱好きを謳うみなさん。
なんと4時間以上も前から集合して、おやつも我慢し、来るべき本番に備えます。

ただいまは声帯のウォーミング・アップ中。そう言われなければ、なんや
うっかりあらぬ宗教に迷い込んだような気がするのは……き、きっと気のせいです。

4

リハーサル室での発声練習を終えたのもつかの間、今度は舞台上で
本番さながらのゲネプロ(最終通し稽古)が待ち受けているという
ご多忙ぶりは、もはやプロ顔負け。

ちなみに、我らが埼玉県きっての最大規模を誇る埼玉第九さんの団員数は、
なんと180人超!その定演ともなれば、日フィルさんや一流のソリストを
お迎えしての本格的なしつらえ。まだ練習とはいえ、その舞台上は何とも言えず華やかです。

5

ご無理を言って、その最後のオケ合わせの様子を覗かせて頂くことに。
まだ人影の見えないこの客席に、あと数時間もすれば、たくさんの
お客様がいらっしゃるというから驚きです。

6 7

そうして無事にゲネプロを終え、次に控えるは、お待ちかねのお弁当タイム!

そうだよね、三度の飯より音楽好きでも絶対にお腹は空くもんね。……といっても、
そこはまれに見る大所帯。ご馳走のためにも行列を制さなければなりません。

ほんのちょっとお座敷に上がるにも、こうして靴がずらり!

この日は晴れ舞台につき、どなたもフォーマル・シューズと言うことで、
何気なく撮った写真はまさかの真っ黒。
ここから自分の靴を見付けるのにも、大変骨が折れそうです。

8

さすがに180人も在籍しているとなると、一堂に会してのお食事はむずかしいもの。
舞台上では一丸となって美しいハーモニーを奏でる直前のディナーは、
それぞれ気の合う者同士で召し上がることに。

お食事中ではあるものの、そこは明朗で気のいい皆さん。カメラを向けると
嫌な顔ひとつせず応えてくださいます。またもや調子に乗って
松岡修造ばりに熱い無茶振りをお願いすると、こんな意気込み
あふれるポーズを返してくださいました。

9

さまざまな年齢層の方が集うこちらの合唱団の中でも、とりわけお若い方々に
ご集合頂いてパシャリ☆

この写真を撮るにあたって、座禅にはじまり、果てはお色気までいろんな
ショットを頂戴したものの、最終的にはこういう感じで落ち着いた模様。
ともするとお笑い芸人も真っ青なユーモア・センスの持ち主がいずれも美声揃い
なのだからスゴイ。その上、女性陣に至っては驚きの可愛らしさをお持ちだから、
何て言うか、もうスゴイ。

※なお、男性陣は脅威の眼鏡率となっております。うんうん、眼鏡は顔の一部ですもんね!

10

いよいよ本番を控えてお着替えになったところを、すかさず激写! 
ちなみに、ここでもいろいろとポーズの注文を付けちゃいましたことを、
この場を借りて遠くからこっそりお詫びしておきます。

こちらの男性陣には、実は昨夏にもおとうさんコーラス大会で大変
お世話になりました。その取材の際に拝見した爽やかTシャツ姿とは一味違って、
今夜はシックな装いでバッチリ☆キマってますね!

11

そして、いよいよ伝説へ……。

この夜の演目は、シベリウスの交響詩「タピオラ」とご存知ベートーヴェンの
代表作である交響曲第九番。こうして気合いを入れてお出掛けになるものの、
なんと一曲目はひたすら舞台上で待機というところに、そこはかとないご苦労を感じます。

12

そして……見よ、この晴れがましい姿を!

先ほどのゲネプロとは打って変わった礼装で披露される音色は、まさに感動の一言。
昨夏に引き続き、この歌声をお届け出来ないのが大変に残念です。

ここでの二時間弱で、長きに渡る皆さんの努力がようやく結実したかと思うと、
涙を含めたいろんなものが止まりそうにありません……!

13

そんなこんなで本番を終えられて、真っ先に行われたプチ反省会。

ここでは、この夜の指揮者である高関先生をはじめ、協演されたソリストの
皆さんからの講評が発表されるだけではなく、

14

テノールをお努めになった錦織健さんを含んだみなさんの直筆サイン色紙まで!
これは、年間の練習を一日も休まなかった皆勤賞の方々に贈られるそう。

カトちゃんばりの「ちょっとだけよ~」の声とともに覗かせて頂いた貴重なお品は、
ほかでは拝めないまさに垂涎もの。っていうか、この”カトちゃん”ネタって、
さっきのお若いグループにはたぶん通じないんだろうな。。。

15

そして、すべてが終わりました。あとは着替えて帰るだけ……って、
なんとそのまま正装で帰宅する猛者まで!?

あまりの衝撃に写真をお願いしたら、快くお引き受け頂いて、またパシャリ。
とはいえ、今見返すだに、なんだか普通のサラリーマンの通退勤風景と
見紛う違和感のなさは、うーん、この、、、

それなのに、ひとたび言葉を発せば、それはとてつもない美声。
できることならいつまでも聴いていたい。ですが、そうも行かないので、
今度はぜひ夏の定期演奏会にもお邪魔させて下さい。

【今回取材させて頂いた大宮ソニックシティ様】

コメント

タイトルとURLをコピーしました