日本地質学発祥の地 ジオパーク秩父【埼玉ブルース第12回】

埼玉ブルース

誰が言ったか知らないが、訪ねてみれば確かに感じる魅力のご当地をさすらう「埼玉ブルース」。

巷はすっかり夏休み一色となり、まずます暑さも増す一方。
そんななか、ご家族で涼める絶好スポットを求めて、
今回は日本地質学発祥の地ことジオパーク秩父へお邪魔して来ました。

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その駅前にデカデカと※Suica・PASMOは使えませんと掲げられている
注意書きに従って切符を購入し、いざ秩父駅へ。旧国鉄の乗り入れる熊谷駅から一時間もすれば、
もう視界は何処を見渡しても一面の緑でいっぱい!最初の一歩を踏み出しただけで、
この山あいの地の神気を感じさせる様は、まさにパワー・スポットと呼んでなお余りあるほど。

2

そう。実は“ジオパーク”とは特定の場所ではなく、現在でも日本地質学にとって
重要な拠点となっている秩父地域全体を指していたりするのです。
この街全体が博物館を自負しているだけにその見所も膨大な数に及ぶため、
事前に秩父市役所観光課の担当の方にお話を伺うと、

「それなら、ようばけなんてお勧めですよ」

「よ、ようばけ……???」

なにが何だか分からないまま、その名前の面白さに惹かれて、
最寄り駅である秩父鉄道秩父本線のお花畑へ向かってみる。
先程の秩父駅からは電車もバスも出ていますが、徒歩でも15分くらいかな?

「きっと改札を抜けたら無数のお花が待ってるんだろうな~☆」なんて期待したものの、

そこには険し過ぎるほどの坂道が広がるばかりでした。
……お花畑だったのは、筆者の頭のなかだけだったようです。

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若干の肩透かしを食らいつつ、一路目的地を目指すべく西武秩父仲見世通りを通って、
その先のバス停へレッツ・ゴー!

平日だというのになかなかなの人出に面食らったところで、そう言えば今がお昼時だったことに気付きました。
そこかしこで楽しそうにお弁当を広げる皆さんに混じって、折角なので筆者も腹ごなしをすることに。

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ここ秩父では、くるみそばやおっきりこみと並んで、とにかく豚肉が有名とのこと。

それならばと、数あるご当地グルメのひとつであるわらじかつ丼を頂けるお食事処仲見世さんへ。
なから大きな食品サンプルを眺めつつ入った店内には、なんと普通のわらじ
かつ丼に並んでメガ盛りわらじかつ丼の文字が!?

こうなったらと、なかば怖いもの見たさで注文してみたところ…………

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ただでさえわらじのように大きなわらじかつがなんと4枚も乗った、なんとも太っ腹などんぶりがお目見え!
その口コミでは「お年寄りからお子さんにまで大人気」とのことで、確かに見た目こそ豪快ですが、
そんなに厚みはないため、どなたでも安心してお召し上がり頂けます。

それにしてもスゴい量だと思いきや、

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ちょっと濃い目の味付けに見る見るごはんが進んで、あっと言う間に平らげられちゃいました。てへ。

特に大食漢って訳ではなくても、普通の成人男性であれば、これくらいなら完食出来ちゃうかも?
ただ、それからしばらくはちょっとお腹が苦くなるほどの満腹感なので、
もし挑戦なさりたい方は割りかし注意が必要です。

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珍しいご当地グルメに舌鼓を打ってお腹こそ八分目の上まで満たされたものの
……はっと気付いてみれば今回、まだ目的地のスタート・ラインに立っても居ないではないか!

慌てて乗り込んだバスはほどなく市街地を離れ、厳しい傾斜の山道をゆるゆる揺られること
約30分 + ようやくたどり着いた最寄りのバス停から、てくてく歩くことさらに約30分。
これも昨今では珍しい自動精米機に見守られながら歩を進めると、

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既に澄み切っていた視界いっぱいに、突然の絶景が! 

ここからかなりの距離があるにも拘わらず、幾層にも亘って構成される断層がくっきりと見える様は、
まさに千枚の葉と呼ばれたミルフィーユそのもの。……あれ、全然お腹は空いてないはずなんですけどね。。。

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滅多にないこの機会。やっと出会えたようばけをもっと近くでを拝もうと、
さらに急勾配を下って行くと……

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新世紀を迎えて、1/10以上も行き過ぎたとは思えない看板に思わず戦慄が走ります。
この季節の風物詩である怪談に、特に強くも弱くもない筆者ですが、
これには最高に寒くなりました(主に背筋が)。

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そんな警告に脅えながらも、「さらに近寄って見た」の図がこちら。
おお、さっきよりなお一層重ねて断層が鮮やかに見えるじゃないですか!
実際に触ってみなくても、その色合いやひとつひとつの波状の凹凸が手に取るように分かります。

って言うか、先程このようばけを勧めて頂いた担当の方からは固く手を触れないようにと
申し付かって参りましたが、こんな絶壁に触れる猛者は果たして存在するものかどうか。
そんなレベルの険しさです。

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そもそもようばけとは、よく夕陽の当たる崖(ハケ)という意味なのだそう。

今から約1500万年前に浅い海だったこの場所の泥が持ち上がり、
それから幾星霜を経て、こんな物凄い感じの見た目になったというから驚き!
この断層を通して、太古の息吹きに思いを馳せるには持って来いの静寂が広がります。

ともあれ、周辺は海の名残りのように涼やかな雰囲気にも満たされていたりして。

この辺りは浅瀬なので、ちょっとサンダルを脱いで踝まで浸かってみたり、
清んだ上澄みを掬って顔を拭ってみたりしたら陽照りの日にはめっちゃ気持ちいい!
こういうアグレッシブな楽しみ方もアリですね!

この日もこの日とて連日続く炎天下の最中で、数組の家族連れやご友人同士での川遊びが散見されました。
何故か見当たりませんでしたが、全力でカップルの方にもお勧め。
水掛や石飛ばしでキャッキャウフフ出来ること請け合いです。

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和気藹々と遊ばれるご家族連れや楽しげご友人方。そんな多幸感を尻目に、
やさぐれ感いっぱいのお一人様はここらへんで失礼します……。
もはややけになりながら、先程の勇み足とは打って変わってとぼとぼ肩を落として戻って来た

その時……筆者の目にはなんとも摩訶不思議な生物が!?

一見かばに見えるがかばではないこの生き物の正体とは?
その謎は次週明らかに!

【今回取材させて頂いたようばけとお食事処仲見世様】

ようばけ

埼玉県秩父郡小鹿野町長留

お食事処仲見世さん

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