近年ますます注目を集めるインバウンド観光。でも、ただ観光客が増えるだけでは地域の魅力が活かしきれないばかりか、混雑やマナー問題などの課題もついて回ります。そんな中、秩父市が先陣を切って取り組んでいるのが、「秩序あるインバウンド観光」——ちょっと耳慣れない言葉ですが、これはただ“来てもらう”観光ではなく、“地域との調和”を大切にした新しい観光のあり方です。
秩父市を皮切りにキャンペーンスタート!注目の第一弾
この取り組みを推進するのは、東京都港区に本拠を構える特定非営利活動法人「公共政策調査機構」。同機構が立ち上げた「秩序あるインバウンド観光推進委員会」は、2025年4月1日から3日にかけて、秩父市を舞台にしたキャンペーンの第一弾を実施しました。
キャンペーンの目玉は、海外で高い影響力を持つインフルエンサー2名による現地取材。秩父の自然や文化、食、街並みなどを体験・撮影し、SNSを通じて世界へと発信しました。地元の協力もあり、取材班は秩父の魅力をぎゅっと詰め込んだコンテンツを多数収集。インバウンド観光の可能性を広げる非常に有意義な機会となりました。
市長と直接対話!持続可能な観光について語り合う
この成果を踏まえ、4月7日には秩父市役所で北堀篤市長への表敬訪問が行われました。訪問には、同機構理事長の池田健三郎さんをはじめ、理事の大渕愛子さん、観光分野で知見を持つXM株式会社の幹部陣も同行。市長との意見交換では、秩序あるインバウンド観光の意義や今後の展望について活発な議論が交わされました。
池田理事長は「インバウンド観光が地域経済に貢献する一方で、“秩序”と“持続可能性”のバランスが重要。地域と共に歩む新たなモデルを作っていきたい」と意欲を見せました。またXM株式会社の佐藤社長も「体験価値と地域との調和がカギ。秩父での取材はその第一歩」と語り、秩父のポテンシャルに太鼓判を押しています。
“秩序ある観光”って何?——観光客も地域も嬉しい仕組みづくり
そもそも“秩序あるインバウンド観光”とは何でしょうか?これは、外国人観光客に対して単に観光地を案内するのではなく、地域の文化や習慣を理解してもらい、トラブルを防ぎつつ、心地よい交流を促す仕組みのこと。観光客が“来てよかった”と思える体験をする一方、地域の人々も“また来てほしい”と思える関係性を築くことを目指しています。
観光が地域に与える影響を丁寧に見つめ、そこに秩序と共感をもたらすこの取り組み。今後は秩父だけでなく、他の地域にも広がっていく可能性があります。
これからが本番!秩父発・未来型観光のゆくえに注目
今回の取材と市長訪問は、まさにその第一歩。秩父という魅力あふれる土地から始まった「秩序あるインバウンド観光」の試みは、これからの観光のスタンダードになるかもしれません。
海外の観光客と地域の人たちが“共に楽しむ”、そんな温かく、スマートな観光のカタチを目指して。秩父の挑戦から目が離せません!