埼玉県富士見市にある勝瀬中学校で、ちょっと素敵な取り組みが行われました。3年生の生徒約240人を対象に、「認知症教育の出前授業」が行われたのです。講師を務めたのは、なんと“日本一かっこいい介護福祉士”として知られる杉本浩司さん。講演回数は延べ1,000回以上、聴講者数は6万人超という、まさに認知症ケアのスペシャリストです!
これからの社会を支える子どもたちに「認知症」を伝える
2025年には、高齢者の3.5人に1人が認知症もしくは軽度認知障害(MCI)になると予想されています。そんな時代だからこそ、子どもたちが「認知症」を正しく理解することはとても大切。まだまだ偏見や誤解が多い中、今回の授業は「認知症を他人事ではなく、自分ごととして考えてもらう」ことを目的に実施されました。
実は勝瀬中学校では、2023年からこの出前授業を取り入れていて、今回で3年連続の開催。地域に根ざした継続的な福祉教育として、じわじわと根を下ろしてきているんです。
授業の内容は?生徒たちの反応は?
授業では、まず「高齢者の現状」や「物忘れと認知症の違い」、「認知症になるとどんなことが起きるのか」といった基本的な知識をレクチャー。そして生徒たちは、実際に「3.5人に1人が認知症になった状態」をシミュレーション体験。これにより、認知症をリアルに感じ、自分たちの身近なものとして捉えるきっかけになったようです。
印象的だったのは、「認知は能動的に行うもの」という考え方。つまり、「自分に関係ない」とスルーせず、「困っている人に気づき、声をかける力」を持ってほしいというメッセージが込められていました。「どうしたの?」「大丈夫?」の一言が、認知症の人の不安を安心に変えることができる。そんな小さな優しさが、大きな支えになるんですね。
生徒たちの心にも響いた
授業後の生徒たちの感想からも、学びの深さが伝わってきます。
- 「認知症が他人事じゃないと気づけた。安心にもつながる考え方がわかった」
- 「介護はただ助けるだけじゃなく、できることを一緒にやるんだと知った」
- 「自分の気持ちと認知症の人の気持ちが重なるところがあって共感できた」
- 「介護の仕事が人を幸せにする素敵な仕事だとわかった」
福祉に対して「大変そう」とか「ストレスが多い仕事」というイメージを持っていた生徒たちも、講義を通して「やりがい」や「人との関わりの大切さ」に気づいたようです。これって、すごく大きな変化ですよね。
地域と未来をつなぐ、出前授業の意義
今回の授業を実施したのは、さいたま市に本社を置く「メディカル・ケア・サービス株式会社」。全国360以上の介護事業所を展開し、創業当初から認知症ケアを専門に取り組んできた企業です。そのブランドメッセージは「認知症を超える。」——とても力強く、希望に満ちた言葉です。
認知症のある方も、そうでない方も、誰もが安心して暮らせる地域社会を目指して——その一歩として、こうした出前授業が子どもたちの心に灯をともしているんですね。
福祉教育を通して地域と未来をつなぐこの取り組み、今後も県内の他の学校にも広がっていくことを願わずにはいられません。
