徒然なるままに
「たまにはハイキングとか行きたいよねー。モミジ狩りとかいいよねー。」
すっかり日も高くなった、朝と呼ぶにはちょっと遅すぎる時間。
寝起きの頭でぼ~っとN●Kのローカル番組を観ているダメライターが1人。
……ハイ、オレです。
いつもなら颯爽と「さあ散策だ!街紹介だ!」と元気に秘密基地を飛び出しているところなのですが、今日はちょっと事情が違う。
というのも、先日の御前会議で「んー埼玉レポートもマンネリしてきたねー。よし!打ち切りだね!」
と、にっこりバッサリと切り捨てられてしまったのです。
嗚呼無常。
これもしがないフリーランスの宿命さぁ~と諦めかけていたそんな時。
愛用の某りんご社製タブレットになにやら謎の指令が。
「お……これは……」
そこはかとなく軽い一言には“狭山”の文字が。
狭山と言えば当然埼玉県狭山市。
しかし埼玉レポートは終わったはず……
コレは一体!?
「よし、これは行ってみるしか」
そもそもメェさんって何さ!? という基本的な疑問もなんとなく感じつつも、心に秘めたライター魂に再び炎が。
きっとそこに何か手がかりがあるはず!
そうだきっとこれはオレに最後のチャンスを与えようという嫌がらs……
じゃなかった神の試練!
こうして苦難極まる(?)埼玉レポートの番外編ははじまったのです。
嬌声溢れる動物の楽園
「って言っても、狭山市って範囲広過ぎだよね」
と、愛車のハチロクをかっ飛ばし始めてから気が付く。
途中狭山市内の適当なコンビニにクルマを停めてスマホで手がかりを探していると、はたと目に留まったのは「こども動物園」の文字。
んんん? 動物園?
いやカーナビにはそんな情報は無かった……
しかし確かに手元の某りんご電話の検索画面には確かにこども動物園とある。
これは匂う、匂うぞ。
気になってさらに調べてみれば、そこにはヒツジやヤギの姿が。
……ハッ!
そういえば指令には「メェさんを探せ」との言葉が!
もしやこれか!?
他に手がかりらしきものもなかったので、とりあえず「こども動物園」とやらへ急行。
駅からも少し離れたのどかな街並みを進んでいくと……
あった! こども動物園! ←意外とすんなり。
こども動物園は市営の森林公園である「智光山公園」の中にある施設で、公園内にはほかにもバラ園やキャンプなどがある様子。
敷地面積は東京ドーム約11個分にもなるようで、池のほとりに作られた遊歩道には紅葉やバードウォッチングを楽しむ人々の姿もちらほら。
大の大人がこども動物園に1人で入るのは勇気がいるなぁ……
などと今更ながらに軽く躊躇したものの、そこは極秘指令。徹底的に調べなければ。
パパッと入場料を払い、さっそくメェさんとやらを探そうと足を踏み出した瞬間!
「「「わあああどうぶつえんだあああ!!」」」
後ろから物凄い勢いで突進してきた幼稚園児約50名の嬌声がとどろく。
危うくドツキ倒されるところを間一髪で回避。いやーコドモは危険。
このまま園児たちに囲まれてキャッキャウフフと園内を歩き回ったら確実に不審者だ! と感じ、ひとまず園内をぐるっと見て回ることに。
動物園自体はあまり大きくないものの、自然公園の一角に作られているために開放感バツグン。紅葉真っ盛りの時期なのも散策にはいい感じ♪
もうこの時点で何をしに来たのかスッカリサッパリスッキリと忘れてしまい、ただの動物好きのカメラマンに。
小さな池にはハクチョウやガチョウ、カモなどが泳いでおり、奥のケージにはフラミンゴなども。
近づいてみると餌をもらえると思ったのか、どんどん寄ってくる。あ、ガチョウさん近づきすぎです。
園内中央の広場入り口には一際目立つケージ。
解説の札を見てみれば「シラコバト」の名前が。
なるほど! これが埼玉県民の鳥に指定されているハトだったのかー。
シラコバトは天然記念物にも指定されているそうで、県のマスコットキャラクター「コバトン」のモデルにもなっている鳥なんだとか。なるほどナルホド。
その後もニホンザルやテンジクネズミ(モルモット)など、なじみの深い動物たちがひなたぼっこを楽しんでいる様子をカメラに収めては、のんびりのほほ~んと楽しむオレ。
遠くの広場に目を移せば、さっきの元気いっぱいな園児たちもいますね♪
メェさん発見! しかしその時……!
これはいいわ~動物園癒されるわ~♪
と、すっかり和みムード。たまたま一緒に動物を見ていた若い奥様と立ち話なんかしちゃったりしていたら、またもや園児たちの嬌声が遠くで響く。
「「「やぎさんだあああああ!!!」」」
おおそうだった!
ぬっかり忘れていたけど指令にはメェさんを探せと書いてあったじゃないか!
有閑マダムとアンニュイな午後を楽しんでいる場合ではない!
どうやらこの動物園ではヤギや馬など一部の動物に触れて楽しむことができるらしく、この日も平日にも関わらず親子連れの人たちが交互にヤギと遊びまわっている。
うーむ、やはりこのヤギがメェさんの正体なのだろうか。
メェさんらしき動物は見つけたものの、それ以上のヒントがない。じ~っと目つきの悪いヤギの顔を見つめていると、なにやら頭の中に謎の言葉が!
「ついにコバトンの正体を見つけたね……さあ次は……」
メェさんがしゃべった!?
いやメェさんの姿を借りた何者かの声なのか!?
そもそもこのヤギの名前ってメェさんじゃなくてショコラじゃね!?
などと混乱していると、またもや園児たちの超音波のような嬌声が。
甲高い笑い声にハッと我に返るとすでに謎の声は聞こえず、目の前のメェさん、もといショコラちゃんは「メェ~♪」と可愛い声で鳴くばかり。
さっきの声は一体……。
謎が謎を呼ぶ展開に頭を抱えていると、飼育員らしき人が「ヤギが好きかい? 触れないけど向こうに今年生まれた仔ヤギもいるよ」と一言。
「あ、ホントですか♪」そしてまたもや綺麗サッパリと指令のことを忘れ、言われるままに仔ヤギを探しに行くと、目の前にはトコトコと歩く超可愛い仔ヤギが! あまりの可愛さに悶絶。昇天。
果たしてあの極秘指令とはなんだったのか。
っていうかふれあい広場でヤギと戯れているだけでいいのかオレ。
そして謎の真相とは……番外編・その2へ続く!?
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