埼玉県内でも深刻化が進む「空き家問題」に、加須市と狭山市が新たな一手を打ちました。解体工事のマッチングプラットフォーム「クラッソーネ」を展開する株式会社クラッソーネと、それぞれ「空き家除却促進に係る連携協定」を締結。これにより、地域の空き家対策が一気に進む可能性が高まっています。
空き家問題の現状と背景
近年、全国で急増する空き家。総務省の統計によると、なんと空き家は全国で900万戸、空き家率は13.8%と過去最高。埼玉県内でも13万戸を超え、今後も増加が懸念されています。
加須市では最新の調査で840戸、狭山市では634件の空き家を把握しており、それぞれ独自の空き家対策計画を立ててきましたが、住民からの相談や人口構成の変化を背景に、より積極的な対応が求められていました。
クラッソーネとの連携による具体的な取り組み
今回の協定により、両市ではクラッソーネが提供する以下のようなサービスを積極的に活用していきます:
- 「すまいの終活ナビ」:解体費用や土地売却価格の目安をWeb上で手軽にシミュレーション。URLは加須市版、狭山市版がそれぞれ用意されています。
- 「空き家価値査定シート」:空き家の管理コストや売却価格などを一目で把握できるレポートで、所有者の判断をサポート。
- 啓発リーフレットの配布:空き家の適正管理・解体の流れをわかりやすく解説した資料を市民へ配布。
- 相談支援:市民からの空き家に関する相談に、クラッソーネの知見とデータで対応。
市長・企業代表もコメント、期待の高さがうかがえる
加須市の角田市長は「所有者だけでなく、民間や専門機関と連携することが重要」と語り、クラッソーネとの協定に大きな期待を寄せています。一方、クラッソーネの川口CEOは「空き家解決には行政との連携が鍵。安全・安心なまちづくりに貢献したい」とコメント。
「すまいの終活ナビ」とは?
この便利なツールでは、土地建物の条件を入力するだけで、
- 解体費用の概算
- 土地売却価格の目安
- 固定資産税の試算
- 迷惑空き家診断
といった情報が無料で得られます。「解体した方が得なのか?」「放置するとどれだけコストがかかるのか?」そんな疑問にわかりやすく答えてくれる強い味方です。
埼玉県内でも広がるクラッソーネとの連携
今回の協定で、埼玉県内の連携自治体は19に。カバー率はなんと43.7%に達しています。これまでにも、リーフレット配布やセミナー実施で放置空き家が解体された実例もあり、実績は十分。
空き家対策のDX化でまちがもっと快適に
この取り組みは、単なる解体だけではなく、ITを活用した行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にもつながります。空き家の所有者が抱える不安や疑問をテクノロジーの力で解消し、より快適な住環境づくりに貢献する、まさに今の時代に必要な連携です。
住んでいる人にも、これから住む人にも優しいまちへ
空き家は時に防災・防犯・景観の面でも地域に大きな影響を与えます。加須市・狭山市がクラッソーネと手を取り合うことで、地域の安心安全がより強固なものになることが期待されます。
今後、空き家に関するお悩みを抱えている方は、「すまいの終活ナビ」や市の相談窓口を通じて、ぜひ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?