紙袋伝説!ジョージを探せ!第8回 ミニ四駆を走らせよう。コースは……大宮公園全体だ!!

ジョージを探せ・秘密基地

【前回までのあらすじ】

理想の秘密基地を求めて失踪したジョージ。

彼を探すためにジョセフ・ポルポル・レロレロの3人は「埼玉県内の面白いこと」を探す旅を始めた。

ジョセフからのメールに従い、自分たちの秘密基地がある大宮公園に帰ってきたポルポル・レロレロ。

彼らのもとに贈られたのはなんとミニ四駆!幼少期にミニ四駆を嗜んでいたジョージが釣られて帰ってくるかもしれないというジョセフの計らいであった。

昔のミニ四駆と今のミニ四駆の違いに感心しつつ、二人はそれぞれ独自のマシンを完成させた。

しかし、ただ走らせるだけではもったいない。ポルポルはこう切り出した。

「ミニ四駆を走らせよう。コースは……この大宮公園全体だ!!」と。

レロレロ「大宮公園を走らせるですって!?」

ポルポル「そうだ、なんたってこの広さだ。走らせるには十分だと思わないか!?」

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レロレロ「確かに第3公園まである広大な敷地に幅広い道、さらにはアトラクションもありますが、
どうせならちゃんとしたコースで走らせる方がいいんじゃありませんか?

ポルポル「おいおい!? レロレロのマシンはしっかり整備されたコースでしか走らせられないような
軟弱マシンなのか」

レロレロ「何を戯言を……。私のマシンはパワー重視ですから多少の段差や悪路では私の走りを止めることなどできませんよ。ポルポルのマシンこそスピードばかり気にして、本当に完走できるのか疑問ですがね」

ポルポル「俺のマシンは常に最高速を出せるセッティングだからな。思い知らせてやるぜ!!」

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レロレロ「わかりました!! 周りを見て走る場所は決めましょう。ほかの人の迷惑になりますからね」

ポルポル「そんなことは言われなくても、わかってるぜ」

レロレロ(貴方はすぐ周りが見えなくなるから不安なんですよ……)

ポルポル「それじゃ、さっそく走らせてみるか」

レロレロ「……って、いきなりですか?試運転もまだですし、もう少し適切な場所を探すべきでは」

ポルポル「そんなもん、走らせてみてから考えてみればいいんだ!!それに見ろ、この目の前に広がる道を!!」

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ポルポル「こんなにも広くて走らせ甲斐のある道が広がってるんだぞ? やることは一つだろ!!」

レロレロ「まぁ、そうですね……。セッティングがうまくいっているかどうかは実際に試すのが一番ですか」

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レロレロ「それじゃあ位置について」

ポルポル「よーい」

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二人「スタート!!」

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レロレロ「くっ……少し出遅れましたか……」

ポルポル「スピード重視の俺のマシン相手に出遅れのは致命的だぜ!!これは楽勝ムードって奴だな」

レロレロ「ポルポル、甘いですよ。このレースはコースに沿って走るわけではありませんから何が起こることやら」

ポルポル「ふん、どんな場所だろうと、俺のマシンの勝利は揺るがないぜ」

レロレロ「随分強気ですが、この情景を見ても同じことが言えますか?」

ポルポル「何ッ!?」

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ポルポル「目の前に草原が!!」

レロレロ「私のマシンはこんな事態を想定してパワー重視のセッティングにしています。さて、あなたのマシンにこの悪路が耐えられますか?」

ポルポル「しゃらくせぇ!!俺のマシンはどんな場所でも走れるぜ!!」

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ポルポル「俺のマシンを草むら程度で止められると思ったら大間違いだ」

レロレロ「流石ポルポル、それでこそ私の生涯のライバルです。ですが、マシンはだんだん遅れてきているみたいですよ」

ポルポル「くっ、たしかにこの場所では分が悪いな。だが、ここを抜けたら一気に抜いてやるぜ!!」

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ポルポル「ふぅ……ようやくあの草むらを抜けた。これで俺のスピード重視のセッティングが活きるな」

レロレロ「果たしてそうですかね?」

ポルポル「……なっ、たしかにマシンのスピードが上がってこないぞ。なぜだ、なぜなんだ!!」

レロレロ「あなたのマシンは『ウルトラダッシュモーター』というスピード重視のモーターを使用しています。しかし高性能であるがゆえに電池消費も激しいんでしょう。そんな状態で無理にあの草むらを突破したら──その代償は計り知れないでしょう」

ポルポル「馬鹿なッ!!だからといって、こんなに差がつくとは……」

レロレロ「私のマシンはパワー重視かつ、悪路に強いゴムタイヤまで使用していますからね。通常の速度ではポルポルのマシンに勝てませんが、この様子なら、この勝負もらいましたね」

ポルポル「くっ、負けねぇ……」

レロレロ(たしかにポルポルのマシンの速度は侮れませんね。消耗しているにも関わらず、私のマシンと同じ速度とは……)

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レロレロ「次はアスレチック広場ですか。なかなか粋な場所ですね」

ポルポル(くそ、このままではジリ貧だ。なにかイイ手はないのか!?)

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ポルポル「……そうか、アレだ!! アレを使えばこの状況を打破できる!!」

レロレロ「おや、どこへ行くんです?もしや勝負を諦めたのですか?」

ポルポル「そんなわけがあるかッ!!この状況を打破する策を思いついたんだよ」

レロレロ「あっちにあるのは滑り台……はっ、まさか!!」

ポルポル「今さら気づいてももう遅い!!見ろ俺の究極の必殺技ッ!!」

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ポルポル「グライダーダッシュだ!!」

レロレロ「グライダーダッシュって……。ただ滑り台を滑り降りて急加速しているだけじゃないですか。っていうか、ミニ四駆をどうやってそこまで上げたんですか?」

ポルポル「それは普通に持ち上げて滑り台の上まで持っていった」

レロレロ「ちょっと!?それは反則でしょ!!」

ポルポル「そんなルールはないぞ。そもそも、ルール自体もロクに決めてないということを忘れたのか!!」

レロレロ「くっ……確かに……。まさかポルポルに論破されるとは……」

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ポルポル「ハッハッハ、やはり俺のマシンが最強だ!!やはり直線での速さこそが正義なのだ!!」

レロレロ「そんなこと言っていられるのも今のうちですよ、ポルポル!!」

レロレロ(とはいえ、どうしたものですかね……。何か策を講じなければ)

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ポルポル「はっ!?まずい!!目の前に岩場がある!!」

レロレロ「どうやら、勝利の女神は私に微笑んだようですね。刮目せよ、これが私の究極奥義!!」

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ポルポル「何ッ!? 岩の側面を走っているだと!!」

レロレロ「これが私のマシンの技……壁走りです」

ポルポル「なんだそれ!! 物理法則、無視しすぎだろ」

レロレロ「風を味方につけたほうが勝つと、某ミニ四駆漫画のキャラクターも言っていたでしょう」

ポルポル「……なるほど、確かにそれじゃあ仕方ないな。なんかムチャクチャな気もするが、気のせいということにしておこう。ああ、気のせいだ」

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レロレロ「大きな池ですか。ポルポルはまさかミニ四駆を突っ込ませようとか考えてないでしょうね」

ポルポル「いくらなんでも馬鹿にしすぎだろ!! さすがの俺もそんな無謀なこと考えてないぜ」

レロレロ「それなら良いのですが……。池の底を走らせて向こう岸まで渡ろうとか言い出すんじゃないかと不安になりまして」

ポルポル「……おっ、おう(なんでバレたんだ!?)」

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ポルポル「いよいよレースも大詰めだな」

レロレロ「そうですね。この道の先に公園の出口があります。そこをゴールにしましょう」

ポルポル「この長かったレースの勝者は俺だ!!そして、次はジョージにミニ四駆で勝負を挑むぜ。あいつには一度も勝てなかったからな!」

レロレロ「ジョージは遊びの天才でしたからね……。まぁ、まずジョージを見つけなければなりませんけど」

ポルポル「そうだな。しかしまずはレロレロ、お前との決着をつけてやるッ!!」

レロレロ「望むところです!!」

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ポルポル「直線勝負なら負ける要素は無い!!この勝負もらったぜ!!」

レロレロ「確かに厳しいですが、果たしてそううまくいきますかね。私の計算ではそろそろ貴方のマシンは限界のはずです」

ポルポル「はっ、そんなはずは……いや、まさか減速してきているだと!?」

レロレロ「やはりそうでしたか。私の予想通りです」

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ポルポル「つ、ついに抜かれちまった……」

レロレロ「こんな幕切れは興ざめですが、これで私の勝ちですね」

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レロレロ「もうゴールは目前です」

ポルポル「ちくしょう、負けたくねェッ!!」

レロレロ「残念ですが、もう私の勝ちは揺るぎませんよ」

ポルポル「……それでも俺は最後まで諦めない!!かっとべー!!マグナーム!!」

レロレロ「漫画やアニメじゃあるまいし、そんな叫び声で加速するはずは……バカなッ!?」

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ポルポル(ま、まさか本当に加速するとは……)

レロレロ「どんなデタラメなマシンなんですか!! まさかポルポルの声に応えたとでも言うんですか!?」

ポルポル「さっき壁走りとかしてたやつにデタラメとか言われたくないな」

レロレロ「そ、それでもこの差は埋めがたいはずです……」

ポルポル「覚醒した俺のマシンならこの程度の差、埋めてくれるさ!!」

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二人「ゴール!!」

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ポルポル「最後は俺が抜いたよな!?俺の勝ちだろう」

レロレロ「いいえ、私がリードを守りきりました。私の勝ちです」

ポルポル「いや、俺だ!!」

レロレロ「いいえ私ですよ!!」

ポルポル「……冷静に考えてみたんだが、引き分けでいいんじゃないか?別に賞品があるわけでもないし」

レロレロ「……そうですね。私も薄々そんな気がしていました」

ポルポル「くそ、また決着がつかなかったのか」

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ポルポル「いい勝負だったぜ」

レロレロ「こちらこそ、最後の追い上げには驚きましたよ」

ポルポル「俺は不可能を可能にする男だからな」

レロレロ「また適当なことを……」

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ポルポル「じゃあ、そろそろミニ四駆を回収しに行こうぜ。走りっぱなしにしてたしな」

レロレロ「進路の先は壁ですから、おそらくもう引っかかっている頃でしょう」

二人「……」

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ポルポル「おい、ミニ四駆が勝手に曲がってるぞ」

レロレロ「そんな、ミニ四駆が勝手に曲がるなんて!!」

ポルポル「やばいぞ!!このままじゃ街に出ちまう」

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ポルポル「待てー!!」

レロレロ「おかしい、何故止まらずに走り続けるんだ!!もしやミニ四駆がどこかに導こうとしてるのか!?」

ポルポル「そんな馬鹿な!?とにかく急げ、ミニ四駆を捕まえるんだ!!」

二人「止まれーーー!!」

こうして暴走を始めたミニ四駆を追いかけることになった二人。

果たしてその先にあるものとは!?

第9回に続く

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