埼玉県内の企業同士の協業や新規事業を後押しする「オープンイノベーション創出促進事業(Open Innovation Saitama)」の成果発表会が、2025年3月21日に開催されました。場所は、今年夏に本格開設が予定されているイノベーション創出拠点「渋沢MIX」のプレイベント内。会場には、県内外から約200名が集まり、熱気に満ちた発表の場となりました。
地域企業の未来を切り拓く「Open Innovation Saitama」って?
このプログラムは、渋沢栄一翁の精神を受け継ぎ“人と人の出会いから生まれる価値”をテーマに掲げた「渋沢MIX」の取り組みの一環として、埼玉県内の企業を対象に実施されたもの。ReGACY Innovation Groupが埼玉県より受託し、9月からのセミナー・ワークショップを経て、事業化支援を行ってきました。
ReGACYの専任メンターが各企業に伴走し、ビジネスモデルの構築やパートナー企業とのマッチング、新サービスの具体化に向けてきめ細かい支援を実施。まさに“伴走型のイノベーション支援”といえる本プログラムが、今回の発表会でその成果を披露しました。
発表された注目の新規事業はこれだ!
合同会社ババラボ
事業テーマ:シニアコミュニティを活かしたWebマーケティング
高齢者がオンライン上でも「集まれる場」を提供する「オンライン部室」を構築。今後はシニア層の声を集めるリサーチサービスとしての展開を目指します。
津田工業株式会社
事業テーマ:高齢者の薬の飲み忘れ防止&障がい児向けおもちゃ開発
表面処理技術を活かし、新規部署を立ち上げ。社会課題を解決する自社製品の企画・販売に踏み出しました。
株式会社ホープ・ラボ
事業テーマ:女性のリスキリング×地域企業のDX支援
女性の再就職と地域企業の課題解決を結ぶ「エコシステム事業」を構想中。社会と人材をつなぐ新たな仕組みとして注目が集まりそうです。
大森機械工業株式会社
事業テーマ:異物除去ロボットの開発
当初の調理ロボから方針転換し、安全性向上に資する異物除去技術を研究機関と連携して開発中。現場視点の方向転換が光ります。
株式会社Be-Links
事業テーマ:中小企業のDX化支援
オフィスDXに関するニーズ調査を通じ、複数拠点での情報一元管理サービスをプロトタイプ化。中小企業特有の課題と向き合いながら実装を目指します。
東栄運輸×セラピアによるパネルディスカッション
運送業界の業務効率化をテーマに、実践的な視点で事業連携の背景やプロセスを語り合う内容に。現場での“リアルな声”が参加者の共感を呼びました。
イノベーションの「種」が花開く場所へ
この発表会を通じて、埼玉県内の企業が単なる地域密着ではなく、広がりある共創によって新しい価値を生み出す力を持っていることが感じられました。「渋沢MIX」という場が、今後さらに多くの企業や人材を結びつけ、イノベーションの波を県全体に広げていくことでしょう。
「自社だけではできないことも、つながることで実現できる」——そんな想いにあふれた、埼玉発・未来志向の取り組みをぜひ今後も注目してみてください。